彼と出会ったとき、彼が生命保険に入っていたことが分かった。
毎月25.000円。
会社で強制的に、断れずに入ったらしい。
新築のマンションを購入するときに減らすよう説得し、19.000円にしてもらった。
自分だったら絶対に入らないけど、未来の病気のためだというので仕方がない。
マンションを購入し、ちょうど1ヶ月後に脳出血で入院となる。
その時、保険というものが効いてくる。
ガンが主流だったけど、三大疾病がちょこっと脇役で入っていた。
その金額、自分にとっては聞いたことがない。
23.000.000円。
本当のこれを、もらえるのか・・・。
入院当時はしばらく考えられなかったので、保険は後回しだった。
少し落ち着いて、改めて主人に伝えた。
彼自身は、それどころではないのは重々承知。
笑みさえもない。
入院中の話なので、マンションのローンは解決されるということを伝えたい。
障害を持った彼にとって、金銭は何の役にも立たない。
なので、自分もその姿を見て、役に立たないと感じた。
その生命保険は、その他細かい手当があり、合計3千万近くもらえたと思う。
毎月の額が、前のように月25,000円のままなら、合計6千万になったという。
あくまでも保険なので、そういうもの。
まぁ、とにかく彼から通帳の暗証番号が聞けなくて苦労をした。
麻痺によって話せず、文字が書けず、口をパクパクするだけ。
数か月、自分の貯金は全部病院代で無くなってしまい、主人の貯金が無いと生活できないので本当に困った。
そして最終的には、動けない主人のことを思い、この預かった2千万円は使わず残しておいた。
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